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投球動作と肩・肘障害

2014年6月14日から15日までDePuy Synthes Mitek Sport Medicine主催による理学療法士、トレーナー対象の新鮮遺体解剖コースがハワイ、ホノルルのUniversity of Hawai at Manoa (図 1)で開催されました。日本からの参加者は11名、それに東京医科歯科大学臨床解剖学の秋田恵一教授、同整形外科の望月智之助教授、そして私の3名の講師、計14名で肩・肘関節・前 腕の解剖を2日間計16時間、自分で触りながらじっくり観察しました。

 

6月14日

6月14日の朝6:50に集合しバスで大学に移動、30分間浜田の「肩の筋肉、肩甲骨と疾患について」レクチャー後、解剖開始。3体の遺体にそれぞれ1名の講師と3~4名の参加者が付き、まず仰臥位になった遺体の胸部と上肢の皮膚を切除、腹臥位にした後さらに残った皮膚を取り除いた。

解剖の手順は、まず僧帽筋を一体として取り除き、下部のみが肩甲棘の一点に停止することを確認した。次に広背筋と菱形筋の露出であったが、ここで観察した者しかわからない面白い両筋の関係を発見した(秘密です!)。さらに広背筋と前鋸筋の関係、また大円筋の関係「へー」という感想でした(秘密!)。いやいや、それぞれの筋が単独で機能しているわけではないですね。広背筋、菱形筋、前鋸筋、大円筋の関係がわかりました。また広背筋は肩甲下筋と兄弟分だったとは驚き。前鋸筋・菱形筋・肩甲挙筋を一体にして肩甲骨内側縁から外すのですが、これには熟練の技が必要。秋田教授に教えてもらい何とかできた次第です。

もう一度遺体を仰臥位にし、今度は大胸筋の鎖骨部・胸肋部・腹部を観察し各部位からの筋線維が捻じれ上腕骨に停止するので、胸筋ポケットを形成します。各部位の筋線維走行には個人差があり大胸筋構造の奥深さを感じました。小胸筋は何でもないと思っていた私の不覚、起始の烏口突起部の共同腱との関係、関節包へ延びる小胸筋腱、停止部は第2~5肋骨まであり、これまた前鋸筋と関係するとは(驚き・驚き、秘密!)。小胸筋恐るべしというのが私の感想です。次に意外と大きく、第1肋骨に付着した鎖骨下筋、間違いなく第1肋骨と鎖骨の運動を制御しているはず。

最後に三角筋を上腕骨起始部または肩甲骨・鎖骨停止部から外します。腱板・腱板筋の登場です。今日はここまで!夜は飲み屋で肩談義で盛り上がりました。

6月15日

6月15日、7時にホテルを出発し、7時30分から望月先生の得意とする腱板筋のレクチャ。やはり私にも興味深い内容でした。さて今日は腱板筋から肩関節内に突入です。棘上筋の上に はかなりの量の脂肪組織があり、異なる走行である僧帽筋と棘上筋間の摩擦を少なくするのでは 。棘上筋腱と棘下筋腱を覆う被膜を少しづつ剥がすと、棘上筋腱は小結節と大結節の最前方部 に停止していました。望月先生のJ Bone Joint Surg 2008に掲載された論文どおりの構造を初め て観察でき感激する参加者たちでした。棘下筋にもあれ?、秘密が!

私は肩甲下筋と小円筋とに興味深々でした。肩甲下筋は上2/3の腱性部と下1/3の筋性部に分けられます。腱性部の筋は薄っぺらですが、筋性部の筋ボリュームはたっぷりあり、肩甲骨 内側縁からはみ出すぐらい。小円筋は上部と下部に分けられます。ここで質問です。筋内腱はどちらに存在するでしょうか。知りたければ、来年この新鮮遺体解剖コースにご参加ください! 。腱板筋を停止部から外しますがその際、烏口上腕靭帯をじっくり観察しました。この 靭帯(?)が今後重要な臨床研究課題になることでしょう。しかし、私の解剖技術では 烏口上腕靭帯をきれいに観察できません。残念!。関節包ですが、秋田先生がMGHLと IGHLをきれいに露出し見せてもらいました。私たちもトライしたのですが、うまくゆきません。どうも関節包が厚い!じつはこれが今回の最大の気付きでした。しかし、この事実だけは死んでも口にできません。これまでの肩関節の常識を覆すほどの価値のある発見ですから。

その後は、各人で肘関節の内側側副靭帯や上腕骨外側上顆炎に関係する短橈側手根筋、総指伸筋を観察し、新たな気づきをしました。これも秘密です。秘密が多くてすみません、お許し下さい。全身の解剖ですので参加者の興味ある部位を解剖できることが、この新鮮遺体解剖コースの大きなメリットです。来年も開催されますので、是非ご参加を!結局3日間夜は飲み会で肩、肩、肩の3日間でした。参加者よりも私がたくさん新しい知見を得てしまった今回の新鮮遺体解剖コースだったようです。参加者の皆さんすみませんでした(ペコペコ)。最後にこのコースをセットして頂いた伊藤武彦さま、盛田アイコさまに深謝いたします。

また、参加してくださった理学療法士の皆様からの感想を掲載させて頂きましので、さらに読み進んで下さい。

投球動作と肩・肘障害

竹田綜合病院リハビリテーション科 小野健太

2014年6月14日~15日、ハワイ大学にてcadaver courseに参加させて頂いた、福 島県竹田綜合病院、理学療法士の小野健太と申します。肩甲帯、肩関節、上肢 の解剖は初めてで、筋肉・靭帯・関節包など組織の位置、走行を今まで間違って覚えていたことにたくさん気づきました。「靭帯と呼ばれているけどこんな 性質をしているんだ」「この動きの時にこのように捻じれているんだ」「この 筋肉に靭帯や関節包がこんな風にくっついているんだ」など教科書から学んだことや、臨床で考えていたイメージと異なり、実際に自分で解剖して確認しないとわからないことを たくさん学ぶことができました。今回のcadaver courseで得た新たな知識、同じセラピスト・講師の先生方と語らえたこと、そして多くの刺激を受けたことを、明日から目の前の患者さんの治療に活かしていきたいと思っています。講師の先生方、受講生の方々、ハワイ大学の方々、マイ テックスタッフの方々、本当にありがとうございました。また参加したいです。

山王リハビリテーションクリニック 笠原可奈子

前日の懇親会を含め、3日間にわたり大変お世話になりました。浜田先生には実習自体もテーブルで付かせて学ばせて頂き、まだ懇親会でも先生の臨床での観点をお聞きすることができ感謝しています。今後のセラピストとしての自分の方向性も考えさせられるきっかけとなりました。これまで肩の術後の対応を日常的に行っている状態ではないため、土台の知識としてまだまだ未熟な点が多かったですが、 日々の臨床の中で不透明な部分がよりクリアになり、臨床の形をまた向上させていけそうです。 新しい知識もしっかりまた整理していきたいと思います。

日々手の中で感じている事、手の中で作りあげようとしているもの。まだまだ感覚が優先して曖昧な部分が多く、しっかり形にするという大切さも、先生の言葉の中から非常に重く感じました。今回のような機会があればまた是非参加させてください。

 

名古屋徳洲会総合病院 小川祐太

先日は、Shoulder PT&AT 上肢解剖 Cadavar Course in Hawaiiで大変お世話になりました。先生の貴重なお話を伺えて、より今後スキルアップしていきたいという思いになりました。たくさん論文を読んで、学会発表をして、成長した姿を先生に見せることができたら幸いです。肩甲骨 の下制の重要性について、より勉強させていただきたいです。ホームページも拝見させていただいて、大変勉強になりました。

あんしんクリニック理学療法士 那須英人

今回のコースで、ホルマリン検体ではない解剖を初めて経験した。イメージより筋実質や 結合組織などの組織は薄く、筋においては「筋連結」という表現は合わず、「膜での繋が り」というイメージが強く残った。例えば走行の異なる広背筋-菱形筋も肩甲骨下角、周 囲筋を中継し、同じ層で繋がっており、後面から観察すると綺麗な曲線となっていた。こうい った繋がりを意識することは動きを変えていく我々のアプローチの一助となると思われた。その他も解剖書 とは異なる内容が多く、直接見て、触れて感じないと分からない部分も多いと感じた。貴重な体験を提供 していただいたスタッフの方々、講師の秋田先生、浜田先生、望月先生、参加者の方々に感謝申し上げ ます。

大久保病院 理学療法士 平田英幸

Shoulder Anatomy Course for PT & ATに参加して、非常に良い経験となりました。臨床で患者様を触診する時や患者様の体の病態を評価する時など、実際のところはどうなっているのだろうかと悩んでおりました。今回、このコースに参加して、筋や神経の走行を自分の目と手で確認でき、触診す る時のイメージが参加する前と比べてはっきりしてきました。以前は、「...だろう」と思いながら触診していたのが、「これは...だな」と思える ようになってきました。また、靭帯組織や関節包を触ったり、関節を動かして それらの組織のend feelを感じたりとこれはこのコースに参加しないと経験できないことを 経験させて頂きました。その他、秋田先生の実習中の的確なアドバイスや濱田先生や望月先 生の講義も大変勉強になりました。そして、このコースに参加していたコメディカルの皆様 との出会いや色々な話も貴重な財産となりました。もちろん、今回のコースだけで全てが理 解できたとは思っていません。このコースの参加を機会にこれからも解剖等の知識を深める ことができるのではないかと思います。

前述もしていますが、このコースに参加しないと経験できないことがあり、日々臨床で悩んでいるコメディカルの方は参加することでモヤモヤが晴れるのではないだろうかと思いま す。

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