2011年6月15日(水)

聞間先生から、セシウムの半減期についてのご紹介がありました。

体内吸収されたセシウムの排泄についての文献紹介 文責;聞間元
(「セシウムの毒物学的プロファイル」TOXICOLOGICAL PROFILE FOR CESIUM
U.S. DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES Public Health Service Agency for Toxic Substances and Disease Registry April 2004 発行;Agency for Toxic Substances and Disease Registry Division of Toxicology/Toxicology Information Branch 1600 Clifton Road NE, Mailstop E-32 Atlanta, Georgia 30333)


○呼気吸入の場合、成人男性では(2件の吸入事故例調査)、ホールボデイカウンターで生物学的半減期73から84日、72日から73日と計測された。
○経口吸収では成人で90日から135日
 消失排泄(生物学的半減期)は年齢と性によって相違し、加齢とともに減少し、女性より男性が遅い
◎核実験汚染よるセシウム137では子どもは15±5日、成人では100±50日と明らかな
 差があった(McCraw 1965)。
◎チェルノブイリ事故でのIAEAの調査では、1歳児は8日、成人では110日だった(IAEA
 1991)。
◎他の調査では5?14歳では20日(男女差なし)
 女性では47日、15歳男性は67日、30?50歳男性で93日(Boni 1969)。
◎ブラジルの放射性物質汚染事故(Goiania事故)被曝者の調査では、1?4歳の少女は24日
 7?10歳の少年少女では平均37日、成人男性では58?83日に対し女性は46?66日(Melo 1994)。
○経口吸収の尿便中の排泄割合 
 尿:便 4.5:1?9:1

<結論>
 体内に吸収された(内部被ばく)セシウム137の生物学的半減期は、成人では90日から130日であるが、小児では1歳児で8日と10倍のスピードで早く消失する、学童期でも37日前後で成人より半分の日数で半減する。したがって定期的に(間歇的に)汚染地から離れることによって体内蓄積(内部被ばく)を抑制することができる、と思われる。

 

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