2012年3月 9日(金)

3.11東日本大震災から1年・・・

医療生協健文会(山口県)機関紙“健康のひろば”より


再び福島から…                      桑野協立病院 江川事務長
 
 土砂降りの「健康フェスタ」でご報告させて頂いてから、5ヶ月が経とうとしています。正月早々、宇部協立病院からは、看護師の松本有嘉さんを支援に派遣して頂きました。本当にありがとうございました。私達は、看護師支援を初めとした全国からの物心両面にわたる励ましに支えられながら、事業と運動を継続しています。11月には、宮田専務と坪井院長がチェルノブイリ視察に参加してきました。チェルノブイリの経験に学び、核害の街で暮らすための様々な取り組みを始めています。

 

事態は改善に向かっているのでしょうか

 昨年12月、野田首相は原子炉内部の状態すら把握できていないにも拘らず、冷温停止状態にあるとして「収束宣言」を発しました。財界の要請に応え、強引に原発の輸出と再稼働への道を拓こうとしています。
1月、二本松市の中学生から三ヶ月の積算線量が一mSVを超えているとの報告が伝えられ騒然としました。原因はマンションの基礎に使われていた砕石でした。この砕石は、避難区域となっている浪江町から運ばれたものです。国の説明は「砕石については使用前の線量測定は不要としていた」とのこと、これもまた「想定外」です。原発事故の影響そのものが、未だに正確には把握されていません。そして今、冷温停止状態と言われた二号機の温度が再び上昇し始め、国は大飯原発の再稼働へ向けて舵を切ろうとしています。

 

原発ゼロの時を見据えて

 1月27日に島根原発二号機が定期点検に入り、中国電力の全ての原発が止まりました。現在稼働しているのは全国で僅かに三機、四月には全ての原発が停止する瞬間が訪れます。「原発が再稼働しなければ電力不足で大変なのでは?」と真面目に心配されている方もおられます。原発ゼロのその瞬間をしっかりと見据えておきたいと思います。御承知のとおり、中国電力の筆頭株主は山口県です。みなさんが、主権者として、中国電力に最も影響力のある県を動かし、再稼働を許さない取り組みを進めることが、脱原発への確かな一歩となるのではないでしょうか。

 

郡山医療生協「核害対策室」から

 最後に、郡山医療生協からの提言をご紹介して、「再び」のご報告とします。
 

1、地域のいたるところに、モニタリングポストを設置すること
1、一人一人が線量計をもって、自分自身の積算線量を知る(自己決定権の主張)
1、全ての小・中学校に食品線量測定装置とホールボディカウンターを設置し、

  食品と人体の汚染度を、何時でも誰でも測れるようにすること

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