2012年4月19日(木)

原発の再稼働の理由は何処にあるのか

 大飯原発再稼働へ向けた政府の動きが本格化してきました。事故の検証も不十分な今、何故原発再稼働を急ぐのか。被災地の私達からみれば、到底納得のいくものではありません。
 原発の必要性に関しては、「近い将来石油が枯渇するので、その代替として」との説明があった時期があります。しかし、石油の需給見通しは、1950年代にはあと20年、1960年代には35年、1990年代には45年と、新たな油田の発見とともに大幅に変更されています。近年強調された理由は、「CO2の削減と地球温暖化対策、クリーンなエネルギー」でした。しかし、福島第一原発の事故を通して、原発が環境に優しいどころか、核兵器並みの最悪の環境破壊を引き起こすものであることを白日のもとに晒しました。
 枝野経産相は福井県への説明にあたって、「基幹電源として電力供給を担ってきた原発を今後も重要な電源として活用する必要がある」、「電気料金の値上げを抑えるためにも再稼働が必要」と話しています。人々の命や健康よりも経済(金儲け)を優先させる、「脱原発宣言」を行った民主党内閣で官房長官の任にあたっていた政治家とは思えない、無節操無定見な発言です。「石油の代替」→「環境問題への対応」→「電力の安定供給と電気料金対策」、必要性の論拠を失う度に新たな論拠が持ち出されています。何故原発が必要だったのか、そして今何故再稼働が必要なのか、「原子力の扉は、再軍備に憧れをもつ人々によって開けられた」という山岡淳一郎氏(「原発と権力:戦後から辿る支配者の系譜」)の指摘も含めて、その出発点から考えてみる必要がありそうです。

(江川)

 

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