2012年7月 4日(水)
7月1日午後9 時、大飯原発3 号機が稼働を再開しました。再稼働に反対する圧倒的な国民の声を無視した強行に断固抗議します。
大飯原発の安全性の評価に客観的な根拠は一切なく、過酷事故を想定した具体的対策はなんら講じられていません。準備期間中も異常を示す警報が頻発するなど、原子炉そのものの安全性、および安全管理についての検証は全くされていません。
福島第一原発事故を受け、国は従来の重点防災区域を原発の周囲30km 圏に拡大しました。しかし、国の防災指針の整備が遅れているために周辺自治体の防災計画策定は不十分で、住民から不安の声があがっています。大飯原発の防災対策は、すべてにおいて3.11 の大震災以前の状態です。
福島第一原発事故によって、いまだに10 数万人が故郷を追われ、避難生活を強いられている中で強行された今回の再稼働は、福島県民の心を踏みにじるものです。原発再稼働反対の声は全国に広がり、連日各地で再稼働反対の行動が行われています。毎週金曜日夜に首相官邸を包囲する行動は、週をおうごとに参加者が増え、ついに6 月29 日には20 万人もの規模となりました。国民の怒りは頂点に達しています。
野田首相は財界やアメリカの圧力に屈するのではなく、いまこそ国民の声を真摯に聴くべきです。
政治判断ありきの、科学的な検証のない、なし崩し的な再稼働に道理はありません。専門家からも批判の声があがっています。福島第一原発事故の検証を急ぎ、教訓から学び、原発依存から脱却しエネルギー政策を転換することを求めます。そして関西電力管内の財界・大企業、自治体は、全力をあげて節電対策を講じるべきです。今からでもやれることはたくさんあります。
私たち全日本民医連は、大飯原発の再稼働に断固抗議し、即刻中止を求めるとともに、すべての原発を再稼働させないとりくみに全力をあげます。
2012 年7 月2 日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛