2013年1月28日(月)

マーシャル諸島「除染の島」に日本から視察団

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 小抜君が参加した日本原水協のロンゲラップ島民支援・調査団の取り組みが、1月26日(土)18時10分からNHK総合テレビ「海外ネットワーク」で全国放映された。びっくりしたのは、視察団の活動紹介が、小抜君中心に編集されていたことである。福島の目で、自分の言葉で、堂々とインタビューに応える小抜君は、たくましく見えた。これまでの郡山医療生協の核害に立ち向かう取り組みが、彼の血となり肉となっているのは確かなようだ。この事は、彼だけに言えることではないだろう。放映の一部を紹介したい。


“核実験”帰還に揺れる島民


 真珠の首飾りとも呼ばれるマーシャル諸島の1つ、ロンゲラップ島は、アメリカの核実験によって汚染され、島民全員が避難をを余儀なくされた。それから60年近くが経った現在、島では帰還に向けた準備がされているが、その安全性について島民たちの心は揺れている。今月、日本からの調査団が訪れ、その中には福島からの参加者もいた。?一部略? 現在、島にはインフラ整備にあたる作業員と家族およそ70人が生活している。作業員たちの内部被ばく量を検査するための設備もある。帰還する島民にも、3ケ月に1度実施される予定。調査団の一人、福島・郡山市の医療施設で働いている小抜勝洋さんは、福島でも定期的な検査が欠かせないと感じている。島で除染が行われた区域は、約15ヘクタールで、資金面などから住宅地付近に限られた。除染されていない場所にあるヤシの実など、伝統的な食材はかつてのように食べられないため、食糧はアメリカから船で運ばれる米や鶏肉・缶詰などに頼っている。島民たちは、島に帰りたいとは思っていても、安全面などから今すぐ帰ることには抵抗がある様子だった。?一部略?


福島に生かしたい島の取り組み


 調査団は、聞き取り調査を終えた後、島民との交流会を開いた。小抜勝洋さんは、福島の現状を語った。これに対し、島民たちから故郷のの帰還を願って歌い続けてきた歌が贈られた。小抜勝洋さんは、「島の人たちが培ってきた経験も、情報交換はこれからしていきたい。除染のやり方の比較など、そういう経験を生かすことはできると思う」と語った。
 

核実験の放射線量
 

 アメリカが行った核実験の放射線量は、チェルノブイリ事故の50倍の量と言われている。1950年の水爆実験では、ロンゲラップ島の住民が被ばくした放射線量は、1750ミリシーベルト以上だったとも言われている。アメリカが汚染の責任を認め、除染を始めたのは90年代後半になってからで、そのために整備まで時間がかかってしまった。アメリカが最初に原子爆弾の実験を行ったのは、1945年7月。それ以来、世界各地で2000回を超える核実験が行われ、半世紀以上経った今も、住民が住めない地域も少なくなく、健康被害に苦しむ人も大勢いる。
 

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