2013年2月21日(木)

新聞報道 新たに2人甲状腺がん 県立医大、原発事故の影響否定!

 福島県の県民健康管理調査の甲状腺エコー検査で新たに2人の甲状腺がんと診断された。合計3人となった。これは、平成23年度検査を受けた37,928人の内2次検査対象者186人となり、詳細検査で甲状腺がんの疑い10人となった。そのうち3人が手術で摘出した組織からがんと確定した。10人の内訳は、男性7人、女性3人。平均年齢は15歳で、しこりの大きさは平均で15ミリであった。福島医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4?5年で増加したというのがチェルノブイリの知見。事故後1年半から2年の今の調査では、もともとあったがんを発見いる」とし、福島第一原発事故による影響を否定した。ただ、「断定はできない。きっちり見ていく」とも述べたと新聞で報道している。山下俊一検討委員会座長は「人数だけみると心配するかもしれない。しかし、20?30代でいずれ見つかる可能性があった人が、前倒しでみつかった」との見方を示したようである。平成23年度は双葉郡と伊達市、南相馬市、田村市、川俣町、飯館村の13市町村の18歳以下の対象者の検査を実施した。福島医大は全対象者について外部被曝線量、住所、年齢などを非公表としている。(以上福島民友から)
 

 新聞報道を受けて全日本民医連が声明を出した。声明でも述べているが、私達の立場は、あくまでも事実を受け止め、事実から出発することである。原発事故による放射能汚染が影響しているかどうか、現時点で断定することはできないが、頭から否定しないで今後の検診や診療にこれらの結果を生かしていくことが重要である。放射能汚染の健康影響は、いまだ科学的に解明されていないことが多いため、放射能の影響を軽視せず、注意深く住民の健康管理を進めていくべきだ。そのためにも、県外のサンプル調査を急ぎ、比較検討できるデータの集約と公表をお願いしたい。一次検査でB判定とされた2次検査体制を整備し、速やかに実施して頂きたい。当法人の職員の子供の場合、2次検査までに8ケ月要している。今からでも遅くないのは、県民健康管理調査の目的を放射能からの不安の解消ではなく、健康を守りきることに変更することである。そして、国が責任を持って汚染の実態に即した健康管理体制を構築することである。郡山医療生協は、地域の健康を守る組織として、地域からこの取り組みを進めていきたいと思う。

(宮田育冶)
 

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