2013年3月30日(土)

3年目の春を迎えて  核害対策室くわの室長 坪井 正夫

「核の公害(核害)」 


 今我々が体験している原発事故を「核の公害(核害)」であると認識しました。
そういう認識で自分の見た今までをふりかえりますと、「水俣病」が見えてきました。「イタイイタイ病」が鮮明に見えてきました。核害の被害者となって初めて見えてきた公害の像がありました。足尾銅山鉱毒事件なども、その構造において現在と酷似するものがあるという事であります。


主権在民の立場を基本に「平成民権運動」を提起


 我々は当初より「医療生協の患者の権利章典」を基本に据えて、多くの専門家のお力添えをいただきながら、放射線防護学を学び、実践し、当地において何とかしてより良く生き抜くことを計りました。そして稚拙ながら多くの提言もさせていただきました。広島、長崎から多くを学ばせていただきました。
それらを今振り返ってみますと、「主権を回復(獲得)しようとしている人々の民権運動」ということが出来ると思います。沖縄が見えてきました。地方の犠牲の上に成り立つ中央というものが見えます。棄民政策とはこのことをいうのだという姿を見ました。


チェルノブイリ視察を生かして


 チェルノブイリ福島視察団に加えていただき多くのことを学ぶことが出来ました。情報の大切さ、次世代への伝達の重要性を強く感じるとともに、二十数年を経過した今でも放射線防護態勢を解くことが出来ないという状態に衝撃を受けました。その結果が食品の放射線測定器の導入、FTFの導入という形になりました。全国の心ある友人達からの支援が我々を支えているという事も切実に感じています。目的は5年後、10年後の当地における健康被害ゼロであります。


福島第一5号炉、6号炉、第二の全基から直ちに廃炉作業に


 「脱原発」は現在の民意であります。一方水面下において、あるいは明らかに「再稼働」という姿も見えます。
 これからの当地における脱原発の運動は、具体的に、福島第2原子力発電所の全基および第1原子力電所の5号基、6号基の廃炉撤去作業に入ることを要求することになるかと思います。再稼働は?という質問に対して、「県民感情が許さない」という答ではなく、県知事さんには「私の政治信念として許さない」と答えてほしいと思う。これは民意でもある。

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