2013年6月12日(水)

3.11の前と後の本質は「奪われた」!!

 日本弁護士連合会の第56回人権擁護大会プレシンポジウム「福島原発事故被害の補償・救済はこれでよいか?」が、8日東京で行われ参加してきた。日弁連と日本環境会議の共催で開催され、前例のない原子力災害の賠償にどう取り組むか法律学や経済学の専門家が意見を戦わせた。環境法や公害被害の賠償にくわしい学者さんによる「福島原発事故の損害賠償法理をどう考えるか」という基調報告。原子力損害賠償紛争解決センターへの申し立てに取り組んできた弁護士による成果と限界についての報告、被災地の調査から「実際の損害と賠償にずれがあり」「ふるさとの喪失に対する賠償や現状回復を」などの報告があり、大変勉強になった。
 強烈だったのは、福島原発避難者訴訟原告団の早川団長、金子事務局長の報告と訴えであった。「被災者の声が届かないもどかしさ、是非現地を見て欲しい」「事故は避難民のこれまでの全てと将来を奪った命のある限り闘い責任を問い続ける」「時効の撤廃、廃炉抜きに前に進めない」参加された学者、専門家の方々にもかなりのインパクトを与えたと思う。
 最後にシンポジウムのコーディネーターのまとめが心に染みた。3.11の前と後の本質は「奪われた」ではないか。奪われた人間としての尊厳、根源的な権利を取り戻す理論が必要である。水俣病に取り組んだ原田先生の言葉「被害者の声に耳を傾けよ」を取組の基本に据えよう。

(宮田)

 

閉じる