2013年8月 2日(金)

甲状腺学習会開催!!

 7月31日(水)星総合病院の野水先生を講師に甲状腺の学習と甲状腺エコー検査の実技指導を行いました。お忙しい診療の合間の時間を活用して、タクシーで駆けつけてくれました。約60名の職員、組合員が参加しました。先生は、(1)甲状腺の解剖(2)甲状腺の疾患(3)甲状腺超音波検査(4)福島県子供の甲状腺超音波検査の現状について、自らの診療や検査、手術の症例に基づきながら1時間、詳しくお話ししてくれました。星病院で2001年から10年間に診断治療を行った甲状腺悪性腫瘍は、195例で原発巣切除193例、切除不能2例であり、同期間の甲状腺良性腫瘍手術例は169例、バセドウ病手術例29例だそうである。悪性腫瘍の病理組織分類では、乳頭癌84.6%、濾胞癌6.2%、低分化癌4.6%、髄様癌1.5%、未分化癌0.5%、悪性リンパ腫2.6%で、大部分は乳頭癌である。男女比は1:5.8で女性に多い。年齢別では50代が最も多いが、10代、20代でも見つかっている。5年生存率は、乳頭癌、濾胞癌は100%、低分化癌70%で未分化癌は0%(1名)となり、低分化癌、未分化癌は生存率が悪い。また、剖検によってわかるラテント癌(潜在癌)がフィンランドでは35.6%、日本人でも11.3%から28.4%認められるそうである。検診によって微小癌の発見に努めることはどうなのか、微小癌の多くはラテント癌として天寿を全うする可能性があると話された。
 講演後、エコー室で実技指導を丁寧に行って頂いた。また、先生や技師さんたちからの質問にも答えて頂いた。「放射能との関わりを聞かれた場合どうこたえるのか」という質問に、「現段階では不明と答えるが、のう胞など明らかに放射能を否定できる場合は、かかわりはないと答えてよいのでは」ということであった。
 

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